黒木亮先生のおすすめ本を紹介!

今回は経済小説のジャンルにおいて日本を代表する作家の一人、黒木亮氏のおすすめの本を紹介します。

次に読む本探しの参考に、ぜひご活用ください。

黒木亮氏の経歴

1957年、北海道生まれ。早稲田大学法学部卒、カイロ・アメリカン大学大学院修士(中東研究科)。都市銀行、証券会社、総合商社に23年あまり勤務し、在職中の2000年、作家デビュー。2003年に専業作家となる。大学時代は箱根駅伝に2回出場し、ランナーとしての自伝的小説に『冬の喝采』がある。1988年から英国ロンドン在住。

最新作「地球行商人 味の素グリーンベレー」


地球行商人 味の素グリーンベレー

ノンフィクションの作品で、味の素社内で「グリーンベレー」という異名を持つ海外市場開拓チームが東南アジアやアフリカなどの新興国に味の素を地域に根付かせていく様子を描いています。

国民性による違いに苦労しつつ自社の直販部隊を組織し、宗教や地域特性などの課題を乗り越えて現地のマーケット開拓に取り組んでいく日本人達のエネルギーを感じることができます。

「メイク・バンカブル! イギリス国際金融浪漫 」


メイク・バンカブル! イギリス国際金融浪漫 (集英社学芸単行本)

2023年4月に発売された最新作で、黒木氏が自身の銀行員時代を描いた作品です。

自身の当時の環境やどのように仕事をしていたかが淡々と描かれている部分も多く、物語として大きな起承転結があるわけではないです。しかし自身の実体験ということもあり、国際金融の舞台に憧れながら自転車で営業にかけまわる国内の支店営業時代や、国際金融の舞台で様々なトラブルに見舞われながらも着実にステップアップしていくエピソードがひとつひとつとても詳細で、引き込まれます。

後述する「トップレフト」や「カラ売り屋」、「アジアの隼」の原点がふんだんに詰まっている一冊で、まずはこの一冊を読んでみてから興味が出た作品をさらに読んでいくのも面白いかもしれません。

兜町(しま)の男:清水一行と日本経済の80年


兜町の男: 清水一行と日本経済の80年

「小説兜町」で有名な経済小説の大家、清水一行氏の生涯をテーマとした作品で、2022年9月に発表されています。
日本経済の大きな変化の時期を駆け抜ける同氏の人生を、ダイナミックに描いています。

「経済小説」というジャンル自体の草創期ともいえる時代が舞台となっており、黒木亮作品のファンのみならず、経済小説ファンとしては必読の一冊といえるでしょう。

トップ・レフト 都銀vs.米国投資銀行


トップ・レフト 都銀vs.米国投資銀行

黒木亮先生が一躍脚光を浴びた作品で、執筆当時はまだ海外でサラリーマンとして働きながら書き上げたそうです。

出資額や引受金額が最も多い金融機関が手に入れることができる栄誉「トップ・レフト」を目指して戦いが繰り広げられるというストーリーで、国際金融の舞台をリアルを感じることができます。

非常に有名な作品で、この本を読んで黒木亮ワールドに引き込まれた人も多いんじゃないでしょうか。

カラ売り屋


カラ売り屋 (幻冬舎文庫)

黒木亮作品では珍しいシリーズものの第一作です。

カラ売り屋というのは企業価値が実態をはるかに超えた価値がついている企業に対して空売り(株価が下がれば儲かるポジション)を仕掛け、利益を追求する企業のことを指します。

レポートを公表するなどして、企業価値を意図的に下げるため、一般的に悪い印象を持たれがちなカラ売り屋のイメージを良い意味で覆す観点を読者に提供してくれます。

企業の本質的な価値とは何なのかを考えさせられ、悪い敵を倒す勧善懲悪っぽい感じのストーリーで読後感がさわやかな作品です。

気に入った方は続編にあたるザ・コストカッター (角川文庫)カラ売り屋、日本上陸 (角川書店単行本)カラ売り屋vs仮想通貨 (角川書店単行本)もおすすめです。

世界をこの目で


世界をこの目で

この作品は小説ではなく、筆者が経験してきたことや考えがリアルに描写されているエッセイです。

タイトルの通り、“世界に飛び出して自分の目で色んなものを見てみろ!”

筆者のそんなメッセージを感じる作品です。

これまでの作品の舞台裏についての描写も多く、これから読む作品選びに活用することもできますし、該当の作品を読んだ後に二重で楽しむこともできます。

学生時代のエピソードや、文章術や取材術についてのエッセイなどもあり、黒木亮という作家に小説とは異なった視点から触れることのできる作品です。

獅子のごとく


獅子のごとく 上 小説 投資銀行日本人パートナー (幻冬舎文庫)

世界中のエリートが集まる有数の投資銀行、ゴールドマンサックスで様々な困難を乗り越えて幹部へとのし上がっていく一人の日本人を描いた作品です。

この作品は実際にモデルがいると言われており、そのへん想像しながら読むとより面白くなるんじゃないかなと思います。

アジアの隼


アジアの隼

ベトナムを中心としたアジアを舞台に、様々なバックグランドを持つ金融マン、商社マン達がバッチバチにやりあう小説です。

1990年代のアジアビジネスシーンを描いた描写がすごくリアルで、当時の人たちの息遣いを感じることができます。

この小説については好きすぎて以前に別で記事を書いていますので興味があればこちらもご覧ください。

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まとめ

ちなみに番外編として、黒木氏自身学生時代を題材とした私小説的な位置づけの「冬の喝采 運命の箱根駅伝 上 (幻冬舎文庫)」という作品もあります。

黒木氏自身についても興味が出てきた人はこれを読んでみても面白いかもしれません。

また、読書をこれまで以上に楽しみたい人にはAmazonが提供するオーディオブック、Audible(オーディブル)の読み放題サービスもおすすめです。

オーディオブックは実際に聞いてみると予想以上に頭に入ってきますし、運動中や移動中も楽しめるので読書時間が体感的には2倍以上増えます。

今回紹介した黒木先生の本は2024年時点はありませんが、ビジネス、教養系のジャンルは現時点でも充実していますし、毎月すごいペースで増えています。

初めての方は無料体験もできるので、まずは一度試してみてはいかがでしょうか。

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